『7つの習慣』
書評の第五弾。ジャンルで言うと「自己啓発本」に関しては、この本で一旦〆ます。
⚪︎どんな本か?
スティーブン・R・コヴィーによる自己啓発本。私達が抱えている問題や、感じている痛みは普遍的である。しかしその解決方法は、歴史の中で長く繁栄した社会全てに共通する原則・不変にして普遍の原則・自明の原則に基づいている。コヴィー氏は、これらの原則を明確化して、体系づけることに成功した。その解説本というのが当書である。
⚪︎感想
読み終わってまず真っ先に思ったのは、「この本に書いてあることを忠実にしっかりこなせれば、何事も成功確率は99%まで伸ばせる」ということである。いまいちピンとこない人もいると思うので、以下の図を見てもらいたい。
コヴィー氏が言うには、私的成功(第1・2・3の習慣)を収めてから、公的成功(第4・5・6の習慣)を収めるべきだと説く。そして、第7の習慣が身につけば、他の全ての習慣を実現可能にするのである。
詳しくは当書を買って読めば分かるが、非常にロジックに富んでいると感じた。胡散臭さは微塵も感じなかったし、実践に持ち込める内容であると感じた。各章の終わりに実践方法が載っています。
個人的に良かったなと思うのは、"Inside-out"という考え方。具体的に言うと、内面から自己変革を図るということ。今までは「性格を変えるのは難しいんじゃないか?」と疑問を持っていました。しかしこの本を読んだことで、洗練された習慣を身につけた上であれば、多少なりとも自分を変えることが可能だという考え方にシフトすることができました。
あと、すごく良い意味で刺さった名言があったので載せときます。
“人格は繰り返し行うことの集大成である。それ故、秀でるためには、一度の行動ではなく習慣が必要である” by アリストテレス
結局、積み重ねが大切ということですね。
でも、いきなりこの本を読んで7つの習慣を実行できるかと言われると、重い腰を上げざるを得ないでしょう。なので、まずはどれか一つでも習慣を継続するのが良いのではないでしょうか。他の習慣に対しても波及効果が見込めるので、現実的な案だと考えます。
バランスが非常に良い本なので、バイブルとして何度も読み返す価値はあると思います。個人主義に走る自己啓発本が多い中、当書は人格主義を唱えています。
本質的な生き方を考えてみたい方にオススメできる本だと言えるでしょう。
※ティーンズ版、25周年記念版などもあるのでニーズに合わせて本を選んでみてください。